プロンプトとは?AIへの指示を伝わるように書くコツ

同じAIを使っていても、頼み方しだいで、返ってくる答えの質は大きく変わります。そのためAIの開発元は、伝わりやすい頼み方をまとめたガイドを公開中です。
AIへの指示のことを、プロンプトと呼びます。本記事では、AIの開発元3社のガイドをもとに、プロンプトの仕組みと書き方のコツを解説していきましょう。
プロンプトとは
プロンプトは、LLMに渡す指示や質問の文章です。チャットの入力欄に書く文章も、プロンプトの1つにあたります。
プロンプトには、してほしいことのほかに、背景や目的、答えの形、見本となる例、読んでほしい資料などを含められます。全部が毎回要るわけではありません。ただ、AIは渡されたものしか読めないため、必要な情報が欠けると推測で補った答えが返ってきます。
システムプロンプト
AIを組み込んだアプリでは、利用者が書くプロンプトとは別に、アプリの開発者が書く指示も渡されています。これがシステムプロンプトです。
システムプロンプトには、AIの役割、答えの口調、守ってほしい決まりなどを書きます。Claudeのドキュメントは、システムプロンプトで役割を与えると、1文だけでもAIの振る舞いや口調が用途に合うと説明していました。
開発者の指示と利用者の指示が食い違うときは、開発者の指示が優先です。OpenAIのドキュメントは、開発者のメッセージを利用者のメッセージより先に扱う決まりを、指揮系統(chain of command)と呼んでいます。
伝わるように書くコツ
3社のガイドには、共通する書き方のコツがいくつも出てきます。
文脈を知らない人に頼むつもりで書く
Claudeのドキュメントは、AIを「優秀だが、職場の慣習ややり方を知らない新人」と考えるよう勧めています。書いたプロンプトを、作業の事情を知らない同僚に見せて、迷わずに作業できるかを想像すると、足りない情報に気づけるでしょう。Googleのガイドも、明確で具体的な指示と、答えの長さや形の指定を勧めていました。
理由を添える
決まりを伝えるときは、なぜそうしてほしいのかを添えると、AIが目的に合わせて判断しやすくなります。
Claudeのドキュメントには、「省略記号を使わない」とだけ書くより効果的な書き方の例が載っていました。「答えは読み上げソフトで読むので、読み方の分からない省略記号は使わない」と理由まで書く方法です。理由が分かれば、AIは似た場面でも同じ目的に沿って判断できます。
例を見せる
答えの形や口調をそろえたいときは、見本を見せるのが確実です。Claudeのドキュメントは3〜5個の例を勧め、Googleのガイドは、例を入れないプロンプトは効果が下がりやすいとして、例を常に入れるよう勧めています。
長い資料は先に、質問は最後に
長い資料を読ませるときは、資料をプロンプトの上のほうに置き、質問や指示を最後に書きます。Claudeのドキュメントは、複数の資料を含む複雑な入力で、質問を最後に置くと、答えの質が最大で30%上がったと書いていました。資料と指示の境目は、見出しやタグで区切ると、AIが取り違えにくくなります。
試しながら直す
プロンプトは、一度で完成するものではありません。Googleのガイドは、プロンプトづくりは繰り返しの作業だとして、言い回しや順番を変えて試すよう勧めています。複雑な作業は、いくつかの小さな依頼に分けるのも1つの方法です。
アプリにAIを組み込む開発者向けには、先に成功の基準と試し方を決めておくよう、ClaudeとOpenAIのドキュメントが勧めていました。どんな答えが返れば合格かを決めておけば、プロンプトを直したときに、良くなったかどうかを判断できます。
製品での使われ方
チャットのAIでは、入力欄に書く文章がそのままプロンプトになります。アプリの側では、利用者に見えないところで、システムプロンプトや使えるツールの説明も一緒に渡されているのです。
これらはすべて、一度に読める量(コンテキストウィンドウ)の中に収める必要があります。Webページやメールに紛れ込ませた文章で、AIへの指示を書き換えようとするプロンプトインジェクションという攻撃もあるため、信頼できない文章を読ませるときは注意してください。